出産という感動の大仕事を終えた後、徐々に親になった喜びと責任を感じる事と思います。そしていよいよ赤ちゃんがお家に帰ってきます。迎え入れる準備は整ってますでしょうか。ここでは親になり知っておくべき情報や知識について書いていこうと思います。
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生後0か月赤ちゃんのメカニズム
赤ちゃんは産まれてすぐ環境に適応していきます。
●身長体重:生後1週間位で一時的に体重が減ります。羊水の中にいたので水分を排出して浮腫みも徐々に治ります。1週間を過ぎれば徐々に元の体重に戻ります。
●皮膚:出生直後はピンク色をしています。生後3~4日で皮膚が乾燥してポロポロむけます。そして2~3週間で綺麗な肌が整います。たまにブツブツや肌が黄色みがかることがあります。その場合は病院に連れていきましょう。
●姿勢:まだ首も腰も据わってませんので1日中寝て過ごします。赤ちゃんはうつ伏せが楽なのですが窒息してしまう恐れがあるのでうつ伏せにする場合はご自身の胸の上だけにしておきましょう。
●体温:新陳代謝が活発で大人よりも高い37度前後ですが赤ちゃんにとっては適温なので安心してください。季節に合わせて室内の温度を計り体温調節をしてあげましょう。
●呼吸、脈拍:生まれてすぐに呼吸を始めます。未熟児だと肺がまだ出来上がっておらず人工呼吸器をつけて呼吸を手伝ってあげることがあります。腹式呼吸なのでお腹が上下に動きます。呼吸は1分間に40~50回、脈拍は1分間に120回前後です。
●排泄:おしっこ、うんち共に1日何回もします。おしっこの臭いはあまりきつくありません。うんちはゆるゆるの液状化です。色は黄色や緑色から徐々に茶色くなっていきます。
赤ちゃんの体はどうなってる?
赤ちゃんの体はデリケートです。優しく触れましょう。
●頭:頭は頭蓋骨がまだ出来上がってないのでペコペコへこみます。優しく触れましょう。1歳半位には完全に閉じて硬くなってきます。頭は全身の1/4位を占めます。
●目:目は30cm先のものがぼんやり見える0.01~0.05位です。光を感じるので明るい方を見たりします。色の付いたものや顔などを認証します。
●鼻:おっぱいのにおいがわかります。鼻は小さく鼻腔は狭いので呼吸がし辛くならないようにこまめに鼻水、鼻くそは取ってあげましょう。
●耳:胎内のころから聴覚は発達していてママの声がわかります。低い声より高い声の方が反応します。物音などにびくつくモロー反応も見られます。
●口:生まれながらにして吸うことが出来ます。味覚もあり、甘いものが好きです。苦いものを苦手としています。乳歯は生後6~9カ月頃に生え始めます。
●手:大抵は握った状態でいます。爪も生えていてのびます。顔を引っ搔いてしまいますのでこまめに切ってあげましょう。また握りしめた状態の手のひらに埃が詰まっていることがあるのでお風呂でよく洗ってあげましょう。
●腕、足:腕、脚は曲げていることが多いでしょう。床に足を付けると立とうとする原始反応もみられます。
●背中、お尻:産毛が生えていますが生後2~3カ月で綺麗になるでしょう。お知りに蒙古斑がある子もいますが成長と共に消えてしまうことがほとんどです。
●おへそ:へその緒は5~10日で乾燥して自然に取れます。
●性器:男の子はほぼ包茎で皮に包まれています。女の子はひだやしわに汚れが溜まりやすいのでお風呂で綺麗にしてあげましょう。
赤ちゃんが泣いたら?すべきことは?
赤ちゃんは両親の世話無くして生きていけません。両親の愛情をたっぷり注ぎ込みましょう。
いっぱい抱っこして愛情を伝えましょう
抱っこは親子の大事なスキンシップです。赤ちゃんが泣いたらまず抱っこ。授乳してみたり、オムツを変えてあげたり、暑い寒いの温度調節をしてそれでも泣き止まない場合はあやしてみましょう。赤ちゃんから30cmくらいのところに顔が見えるようにしてゆっくり横に揺らしてみましょう。
赤ちゃんの授乳と搾乳
初めて赤ちゃんに授乳する時は感動で泣いてしまいます。生まれて間もない赤ちゃんが誰に教わったわけでもなく吸引します。息もまだうまく出来ないので飲むのも息をするのも一生懸命です。
母乳とミルクはどちらがいい?
産後ママのおっぱいから母乳が出るようになります。母乳には栄養、抗体、消化をよくする、親子の絆、子宮の収縮を助ける、ママの体系をもとに戻す等さまざまな効果があります。また母乳がたくさん出れば外出先にミルクやお湯を持ち歩かずに済みますし、経済的です。出来るだけ母乳をあげるようにしましょう。母乳が出にくい方も諦めず腕を回したり、おっぱいの周り、乳首をマッサージしたり体操をしましょう。そして何よりも大切なのが赤ちゃんに吸ってもらう事です。赤ちゃんに吸ってもらうことで脳が刺激され母乳を出すよう体に命じます。出来るだけ1日3時間おきに母乳をあげるようにしましょう。またミルクも母乳の成分に近づいてきてます。母乳が足りない時や忙しい時などはミルクで対応しましょう。
搾乳はしたほうがいい?保存方法は?
はじめ母乳をあげる際、ママも初心者だし赤ちゃんも初心者でなかなかうまく授乳できない場合が多いです。なので最初は片乳1分ずつ位で無理のないように授乳しましょう。慣れてくれば3分、5分と徐々に増やしていきましょう。足りない分ははミルクをあげます。ミルクをあげ終わったらゲップをさせて寝かしつけた後、搾乳機で搾乳しましょう。搾乳した母乳は母乳保存袋に移して冷凍しておきましょう。冷凍した母乳は次回授乳する時に冷蔵庫でゆっくり解凍しましょう。解凍したら40度のお湯に袋ごと入れて35度前後位にして哺乳瓶に移し、授乳しましょう。そうすれば赤ちゃんにも十分な栄養を与えられますし、母乳も出るようになります。搾乳器の選び方ですが手動の物と自動の物があります。育児を始めるとただでさえ寝不足で疲れます。ですので手動だと正直しんどいです。私のお勧めは自動の搾乳機がいいと思います。
※一度解凍した母乳は使いきりで再度冷凍させて使わないでください。
母乳、ミルクはどれぐらいあげればいい?
母乳、ミルク合わせて赤ちゃんの体重に対して3%くらいが目安になります。ですので3000gの赤ちゃんの場合、飲む量が90~100ccで母乳が40cc飲めたらミルクを50cc位あげるといいでしょう。ただ赤ちゃんがもう少し欲しがる場合はあげてもいいです。あまり飲みすぎると口から戻しちゃう場合がありますが心配いりません。体重を計るのにはベビースケールがあると便利です。メーカーによっては5g単位になってるものがあり4cc飲んでいても0gと表示されてしまうので細かく計測できるものがいいでしょう。
授乳、搾乳に必要な物は?
哺乳瓶は2本くらいは欲しいですね。3時間おきに授乳するので洗い替え用にあると助かります。消毒器は個人的には「コンビの除菌じょ~ずα」が簡単でお勧めです。
ミルクの作り方、選び方
◆ミルクの選び方:ミルクも様々な種類が出ています。最初どれにしたらいいかわかりません。出来れば最初病院であげたものと同じものがいいでしょう。病院で何を使っているのか確認してみましょう。
◆ミルクの作り方
①擦切りスプーンで粉ミルクを計り、哺乳瓶に粉ミルクを入れます。
②哺乳瓶にお湯を注ぎます。80度~90度くらいのお湯を出来上がりの半分程度入れます。
③粉ミルクを溶かします。円を描くように回しながら溶かします。
④出来上がり量までお水を入れます。
⑤温度を確認します。生温かいくらいが適温です。
⑥赤ちゃんを抱いて飲ませます。飲み残した場合はミルクを捨てましょう。
⑦飲み終えたら体制を縦にしてゲップさせましょう。(しないときは無理にさせなくてもいいです)
⑧哺乳瓶と乳首を専用スポンジでよく洗ってすすぎます。
⑨しっかり消毒して清潔に保管します。
オムツは何を選べばいい?
紙オムツ、布オムツのメリット、デメリット
オムツには紙おむつ(使い捨て)と布オムツがあります。紙オムツは取り外しが簡単で吸収力が高いため多くのママに愛用されています。ただ使い捨てなので新生児用だと1パック1200円(84枚位)前後します。1日赤ちゃんが8回~12回程排泄をしてオムツを交換すると、1週間ほどで消耗します。月5000円位はオムツ代にかかる計算になりますね。
一方布オムツは一度購入すると何度も使えます。また吸収力が紙オムツに比べると劣るため、赤ちゃんにとって気持ち悪いという感覚が紙オムツに比べると養われます。しかし洗濯や排せつ物の処理手間を考えると紙オムツの方が利用者は断然多いです。
おむつ交換はどれ位ですればいい?
今は赤ちゃんが排泄したかどうかオムツを見れば色が変わっていてわかるようになってます。排泄した状態で長時間放置していると、雑菌などが繁殖しておむつかぶれを引き起こします。ですのでこまめに変えてあげましょう。お尻や陰部が赤くなっていたらベビーパウダーや乳液などでケアしてあげましょう。また、うんちやおしっこを見ることで赤ちゃんの健康状態もわかります。私は生後1カ月間、おしっこ、うんちの量も計ってました。うんちの色を見ることもとても重要です。血便、白色便、黒色便などが出ている場合は病院に連れていきましょう。うんちがあまりにも出ない場合は綿棒にワセリンを塗って肛門に1cm程入れてのの字を書くように回してみましょう。1分やって出なければ時間をおいて次の日に再度挑戦してみましょう。
おむつ交換に必要な物は?
おむつ交換に必要な道具を揃えておきましょう。
おしり拭きの蓋が売っているのであると便利です。取り外し可能で何度も使えます。個人的にはあおしり拭き温め器よりも100均で霧吹きを買ってきてお湯を入れてウォシュレット代わりにしてあげた方がいいと思います。ゴミ箱も脱臭の高いものでなくて全然平気です。その都度ビニール袋に使用したオムツを入れて縛って捨てれば臭いは前々気になりません。
オムツの交換方法
①オムツを開く前に、新しいオムツを下に敷きます。
②おしり等を拭いて綺麗になったら腰を浮かしてオムツを取ります。
③お腹のテープを留めます。
④指1〜2本、締めすぎてないかチェックします。
⑤漏れ防止のギャザーを出します。
⑥ビニールに汚れたオムツを入れて縛って捨てます。しっかり手を洗いましょう。
男の子
おしりを拭く時に陰嚢の裏や、両脇、肛門、おしり全体を拭いてあげましょう。
女の子
外陰部は前から後へ、おへそ側からおしり側へ拭きます。逆に拭くと尿道口から細菌が入りやすいので注意してください。脚の付け根、肛門、おしり、背中も拭いてあげましょう。
沐浴、お風呂は毎日入れる?
赤ちゃんは新陳代謝が活発なので毎日お風呂に入れましょう。生後1カ月は抵抗力が無いのでベビーバスに入れます。各ご家庭のレイアウトによって異なると思いますが、浴槽に蓋を半分してその上にベビーバスを置いて沐浴すると腰が痛くなりません。沐浴に入れる前に着替えやバスタオル、すべて用意してから入れるようにしましょう。赤ちゃんは首が座ってないので片手で首、頭を持ってもう片方の手で洗ってあげましょう。慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、赤ちゃんはのぼせやすく、冷めやすいので洗うのは3分〜5分で済ませるようにしましょう。温度は大人よりも2度ほど低く38度~40度にしてください。
沐浴に必要な物は?
ベビーバスはすぐ使わなくなるので、空気を入れるタイプのものが収納面や処分面を考えても便利です。
沐浴の入れ方
①必要な道具をすべて用意します。お風呂上りの道具と沐浴中の道具
②首を支えて首からゆっくり入れてあげます。風邪ひかないよう大きめのガーゼをお腹にかぶせましょう。
③顔から綺麗なお湯で絞ったガーゼで拭いてあげましょう。
④頭を洗ってあげましょう。ガーゼで泡をふき取るようにしてあげると目にお湯が入りません
⑤首→脇→胸と洗ってあげましょう。洗ったら流す、洗ったら流すを繰り返します。
⑥腕、手のひらを洗っていきます。手首、手のひらによくカスが溜まってます。
⑦お腹、脚を洗ってあげましょう。脚の付け根も入念に。
⑧お股はうんちのカスなどが溜まっているのでよく洗ってあげてください。
⑨脇の下に手を入れて赤ちゃんをひっくり返して裏首、耳の裏をよく洗いましょう。
⑩頭から冷えてしまうので絞ったガーゼで頭を拭いてあげましょう。
⑪背中→おしりを洗ってあげましょう。
⑫綺麗なお湯に移して上がり湯をしましょう。出るときはお湯を切らずに。
⑬バスタオルでよく拭いてオムツをはかせます。
⑭赤ちゃんは乾燥しやすいので保湿をしっかりしましょう。
⑮お洋服を着させましょう
⑯お洋服を着させたら髪の毛をとかして、耳の中を綿棒でお掃除します。鼻の中に鼻水や鼻くそが詰まっていると呼吸し辛いのでこの時に取ってあげましょう。
ベビールームに気を使うことは?
お部屋作りは両親、赤ちゃん双方にとって心地いい空間でなければなりません。温度調節のできない赤ちゃんのために室温、湿度などに気を付けましょう。室温は夏、26度~28度、冬は18度~22度、湿度は50%位がよいでしょう。こまめに掃除、換気をしましょう。安全性にも配慮し、赤ちゃんの顔の周りには窒息しそうなものは置かないようにしましょう。また、地震対策として頭上近くには物を置かないようにしましょう。
パパ、ママがお世話しやすいようにおむつ替え、授乳、沐浴、睡眠を考えた動線づくりが大切です。
ベビールームの空間づくりポイント
◆赤ちゃんは大人の目の届くところに
事故を防ぐため常に見える場所にいさせましょう。家事で離れる場合赤ちゃんを移動させましょう。
◆エアコンの直風が当たらないように
風向きを変えてみたり、赤ちゃんの向きを変えたり直風は避けましょう。
◆直射日光は避け風通しのいいところに
適度に自然光が差し込む明るい部屋が理想的。余分な家具などは整理しましょう。
◆高い所に物は置かないように
落下しそうな壁のオブジェや家具の上にある置物などは移動させておきましょう。赤ちゃんを移動させる時も常に危機管理シミュレーションをしましょう。
◆こまめに掃除してお部屋は綺麗に
掃除機をかける場合は埃が舞うので換気をしましょう。1日3回ほどの換気がいいでしょう。
ベビールームに必要な物は?
必要な物とそうでないものは夫婦でよく話し合って決めましょう。
その他必要な物は?
チャイルドシートは退院時必要です。必車の場合は用意しておきましょう。それ以外にもお祝いなどで貰えるものなど多数あるので買い物は計画的に行うといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
赤ちゃんには無償の愛を与えられるというのは本当にその通りです。まったく何色にも染まってない赤ちゃんをパパ、ママたっぷりの愛情で育ててあげてください。過敏になりすぎるとご自身が疲れてしまって逆効果になってしまうので、育児を楽しむためにメリハリを持つことも必要です。一人の時間も適度に確保できるようにご家族の協力をお願いするといいでしょう。